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ヤクの毛刈り祭り --yak shaving festival--

文字を書くことについてなど徒然に

ブログ書きたいなーと思いつつなんだか書かないままにいた。わりと自分の中での原始的な欲求として「文字を書きたい」みたいなのがあって、それでブログを書いたりしているんだけども、どうもこの文字を書きたい欲求は別に人に見せない文でも消化されるらしい。ノートに適当に文字を書くみたいなことを毎日書くみたいなことをしていたら、あんまりブログを書きたい気持ちがなくなった。し、それを書かなくなったらこうしてブログを書いている。ブログに書くことと適当に書くことは内容も違うし文体も違うしPCで書くかノートにペンで書くかという違いもあるのだけれども、基本的には同じ欲求のようだ。なにかを表現する、とかではなく単純に、文字の連なり、言葉の連なりを吐き出すこと。

そういえばこの前は、ことあるごとに思い出して反芻してしまう記憶をこれ以上反芻しないために文を書いた。それなりの時間をかけ原稿用紙30枚ほどになったその文は読み返しはしないし、どこかに出すこともない、書き捨てるだけの文字の連なりだ。が、おかげでそれ以上記憶の反芻をしなくなった。記憶に浸ってよだれを垂らしていたくはなかったので、文字を書くという行為に感謝をしている。

そのときに小説風の(語り口のある)文を書いて思い出したのだけど、一つ書きたい小説があったのだった。元は中学くらいに見た夢だ。最後の、夕日みたいなオレンジ色のビーズののれんをかきわけるシーンで恐ろしく悲しくなって、夢の中で泣いていたら、その自分のしゃくりあげる声で目がさめた(もちろん現実にも号泣していた)。

平和な日常。「わたし」は姉に、最近できた彼氏や学校生活の文句を言いつつも、その日常を謳歌している。そんなある日、宇宙人たちが地球に進行してくる。はじめは誰も気がつかない。人間の皮を被った彼らは、複数の個体ながらも一つにつながっていて、知識を共有しながら人間社会を探っていた。そして、ある晴れた日、姉妹で野球観戦に行っている時に、宇宙人が蜂起する。混乱に陥る中、一人の男性が姉妹を助けてくれる。次第に姉とその男性はお互いに惹かれているように見える。しかし男性も姉ももう一歩踏み込まない。そして男性が告白する。自分は今侵攻している宇宙人の一人であり、そして宇宙人たちには重大な弱点が存在することを。愛を知ると宇宙人たちは溶けてしまう、それも宇宙人たちの思念はつながっているので、一人が愛を知れば侵攻は止まるというのだ。世界を救うには宇宙人と愛し愛されればいい。男性は姉を愛していると言う。姉とわたしを救うために自分たちを滅ぼしてくれという。しかし姉は黙ったまま。たとえ愛していたとしても、愛を伝えればその人はいなくなってしまう。で、なんかいろいろあって。姉は「愛している。」と男性に言う。姉を抱きしめながら溶けて消えて行く男性。まるで何もなかったかのように消える宇宙人とその痕跡。帰りみちに縁日が出ていて、夕日のオレンジ色のビーズののれんがかかっている。のれんを手で分けてくぐる姉は「わたし」からとても美しく見える。「わたし」はあれは本当に愛だったのだ、と思う。

細かいところは思い出せないしそもそも夢なので突拍子もないし、なにより今改めて筋を追うと恥ずかしいんだけども。まぁでもいつまでも覚えているのでこれも文字に出しちゃったほうがいいんだろうなぁ。小説ってどうやって書いたらいいんだ。

そういえば、人のことを好きになる時でも、その人の書き言葉が好みだと好意を持ってしまうし、書き言葉が好きだな。書き言葉は、発するまでに書いたり消したりできるところがいい。口から発する言葉は、あんまり思ってもないことを突際に発してしまったりするけど、書くときは、それを発するかの判断も含めてその人の発言になるので、含みがあっていい。もう少し自在に使えるようになりたいね。

おやすみ。