1人で白ワインをガブガブ飲んでしまい酔っ払いながらこれを書いています。
「かわいい声で話していると暴言を吐かなくなる」といういうのを見たが、これはありそう。特に後天的にしかも自分から積極的にかわいい声を意識して出すということは、そこに意味があるからやっているんだろうから、なにかしらの「かわいい」を想定していて、その想定はきっと発する音だけでなく発する内容にも影響を及ぼすんだろう。
この話を見て、VRにはいったおっさんが、普段とは違う振る舞いになっていたことを思い出した。動き方が柔らかくなり、身体的なコミュニケーションが増える。見た目が変われば、振る舞い、発言、そしておそらくそれに引っ張られて思考も変わる。
そしてそのような身体性に引っ張られた変化は、私が感じるに、声においての方が影響が大きい*1。VRで美少女や男性キャラの中に入った時よりも、私の個人的経験だが、自分の声がボイスチェンジャーで変えられてそれをヘッドフォンで聴く体験の方が、実際にやってみた時の衝撃が大きかった。考えてみれば当然で、自分の全身、特に顔を見るのは朝洗面台の鏡の前に立つくらいで、一日一度とか二度、ひどい時には数日見ないことだってある。それに比べて声は毎日結構な時間聞いている。触れている回数・時間が長い分、見た目よりも声に自己のアイデンティティがのりやすいというのはありそうなことだ。
なので今後VRがより広まっていくにつれもっとボイスチェンジャーの需要は高まり、バリエーションが出てきて、手軽にキャラクター性のある声を手に入れられるようになるだろうな、と思う。*2
で、それが一般的になったら、リアル世界の方にそのボイスチェンジャーを使う文化が逆輸入(?)されるようになるかもな、と思う。かもな、というかそうなったらおもしろい。自己認識において声が重要だという話をさっきしたが、他者の認識においても声・話し方は重要だ。メラビアンの法則によれば*3第一印象における声の優先度(?)は38%だとか。言語(話す内容)が7%であることと比べると無視できない要素であることがわかる。実際アイドルとか政治家とかコンサルとかはボイストレーニングや話し方のトレーニングをするらしいし。まぁそれでなんだ、そう、我々は自分の声でぼそぼそ話し、人には自分の考えた理想の声で聞こえているというようになるかもしれない。声もファッションの一部になり、その時々の気分によって変えたりとか。
ファッションといえば動物は異性にアピールするために派手な外見になるものがいる。人間でも、異性に魅力的に見られたいからと服を工夫する面もけっこうある。声はどうだ?そう、動物の求愛において鳴き声はかなりよく使われる。うちで飼っているウズラもオスがメスに向かってよく鳴いていた。外見と同じく、もしくはそれ以上に多く使われる声がぼちぼちないがしろにされてきたのは*4技術があまりなかったからで、声も自分で選り取りみどり選べるとなったら服を着飾るみたいに声を声飾るだろうなぁという気がする。
選べるならどんな声がいいかなーちょっとしゃがれた感じの優しい声がいいなーなどと思いながらつまみを買いにコンビニに行きます。