必要な食料を省スペースで作る試算ポエム①
farmtoryでは食料をある程度自給できるようになるというのが一つの目標です。でも、それって現状のスペースでそもそも可能なの?っていうか電気とか水とか使いまくれるなら、どれくらいの面積(体積)で人間って暮らせるの?というのを計算すべく、いろいろと調べてみました。きちんと書こうとしたら行き詰ったので、謎世界での謎会話形式です。
これはfarmtory Advent Clenderの二日目の記事です。
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…昼飯は確保されるわけだ。でも、あんな昼飯だけではすぐに骨と皮になってしまう。他に人間が食べられそうなものはなかった。このスペースでできる限りの食べ物を生み出さなければ、そのうち飢え死にしてしまうだろう。
「ねぇジャービス、ここの広さは?」情報補助用人工アシスタントに尋ねる。『縦約4.5m、横約3.8m、面積は約17平方メートルです。』思ったよりも狭い。必要によっては、もうひとつユニットを開拓しないといけないかもしれない。
「ねぇジャービス、もうひとつユニットを開拓したほうがいいかな?」『お答えできません。質問を構成しなおしてください。』にべもない返事が返ってくる。まぁはじめっから期待していなかったけど。ジャービスは便利だけども、ものごとを判断するようには作られていないのだ。でも、どのくらいの食べ物が必要なのか、そしてこのスペースでどのくらいの食べ物が作れるのかを調べるのには役立つ。
わかりやすくして質問しなおす。「一日に必要な食料の量はどれだけ?」『成人女性一人分ということでよろしいでしょうか』うなづく。『成人女性が一日に摂取すべきカロリー量は約2000kcal、タンパク質50g、炭水化物300g…※1』「あーーーーーーーもういい!」黙らせなければ30分くらい続きそうだった。とにかく、2000kclということは、昼ご飯分を1/3としてだいたい1300kcalを確保すればいいわけだ。そういえば昔宇宙飛行士が火星に置いて行かれた映画があった。その時は宇宙飛行士はジャガイモを食べていたんだっけ。
「1300kcalをとるためにはジャガイモがどのくらいいる?」『ジャガイモは一個で約100gの可食部があり、100gのカロリーは約80kclです。1300kclを得るためには1日16個のジャガイモが必要です。』ふーん。「サツマイモなら?」『さつまいもは約300g、100gのカロリーは130kcalです。サツマイモの場合、1日に10個が必要です。』すごい、そんなに食べられない。普段食べている小麦粉や米はもっとちょっとでいいから、きっとカロリーが高いんだろう。しかしこんなに量がいるとなると、いよいよこのスペースでは足りなそうだ。
「このスペース全部にジャガイモを植えたとしたら、どれくらい収穫できる?」『最も収穫率がよいのは水耕栽培で、1平方メートル当たり16kg収穫されたというデータがあります※2。17平方メートルでは、272kgの収穫となります。この記録での必要日数は不明ですが※3、一般的なジャガイモの育成に必要な日数は130日とされており、一年では763kg収穫できる計算となります。』
「あれ、必要な量はどれだけっだけ?」『一日に1.6kg、一年で584kgです。』なんと‼最高にうまく育てられれば、じゃがいもだけで飢えをしのげそうだ。希望が見えてきたぞ。でもジャガイモだけで大丈夫なんだろうか?さっきジャービスはカロリーのあとにも永遠と栄養成分の名前を唱えていた。
「じゃがいもだけ食べていておなか壊さない?大丈夫?」『タンパク質、脂質などが不足し、栄養失調となる可能性があります。1.6kgのじゃがいもに含まれるタンパク質は約25gで、これは一日にあなたが必要な量の約半分程度です。』となると、ジャガイモにプラスして、タンパク質についても考えなければ。
タンパク質といえば肉。分厚いステーキを思い浮かべると、思わずよだれが垂れそうになる「ねぇねぇジャービス、ここで牛って育てられる?ステーキ食べれる?」『育てること自体は不可能ではありませんが、必要な飼料を生産することが不可能です※4』そうか…。しかも、大きくなるまでには何年もかかる。他にタンパク質を作るにはどうしたらいいんだろう。『家畜による生産では、他にニワトリ等鳥類の飼育、淡水魚類の養殖、テンジクネズミなどの小型哺乳類の飼育、食用昆虫の飼育などが行われていました。また、植物性タンパク質を多く含む大豆などの植物の栽培がかつては主流な生産方法でした。他に、工業的な方法として、ミドリムシ等の藻類や、メタン資化菌などを使った生産方法などがあります。』さらに続ける。『面積当たりの効率の高さでは、藻類に次いで大豆、昆虫、卵、鶏と淡水魚、豚、牛という順番ですね。※5』
「じゃぁ、藻類ならどのくらい作れるの?」『年間で1平方メートル当たり10.8kg※6、つまり一日あたり約30gのタンパク質が生産可能です』「ほんとに!?じゃあ、ジャガイモ分と合わせたらタンパク質は足りるんだね!」『はい、16平方メートルをジャガイモに使い、1平方メートルを藻類に使うことで、設定量のカロリーとタンパク質を得ることができます。』思ったよりいけそうだ!
…続く
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やってみたら計算上実現できそうという事実に驚いています。トリッキーな技を繰り出す必要がなかった。
次回、もう少し現実的に具体的にしていく予定。手段を実現しやすい形にしたり、栽培するものを増やしたりします。
また、アドベントカレンダーの投稿日に間にあうべくザクっと調べており、原典に当たれておらず、強引に計算しているところがあります。特に、じゃがいも生産量のやつが期間が書いてなかったので、これが1年あたりだとすると崩壊します。原典読みますね。
参考情報を下記においておくので、信頼せずに調べてください。ブラッシュアップしてまとめようと思っているので、変なところを見つけたら連絡いただけると助かります。
※1日本人の食事摂取基準2015年版より。一部計算。
※2科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)研究成果報告書「根域の環境調節による根菜類の水耕栽培技術の開発」より、「Potato and Human Exploration of Space: SomeObservations from NASA-Sponsored Controlled Environment Studies」からの引用部分より計算
※3 原典を読めていないため…
※4 数字を忘れたので今度調べよう
※6 体積あたりの値がほしいところだ…。