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ヤクの毛刈り祭り --yak shaving festival--

3Dプリントフィラメントのゴミでボタンを作った

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3Dプリンタのゴミ問題

 3Dプリントをすると、失敗したプリント品やサポート材のもじゃもじゃ、切れ端などが出る。ものづくりをする上でのゴミは出来るだけ減らしたいきもちがあり、しかも廃棄プラスチックは昨今問題になっている。というわけで、このゴミを活用して別の何かに生まれ変わらせられないかとボタンを作ってみた。

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ボタンなら小さいので量や品質が一定でないゴミでも作りやすい。また、生活に使える実用品が作りたいのでボタンにした。プラスチックなので他のものももちろん作れる。アクセサリーとかがメジャーなのかな。

ボタンを作る

出来上がりと使用例

出来上がりとしてこんな感じ。ゴミが混じり合ったからこその模様がむしろいい感じに可愛くなっていてけっこう気に入った。3cmくらいと大きめのボタンにしてみたが、もっと小さくもできる。

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無地のシャツにつけるとおしゃれな感じに早変わりする。ボタン付けも使用も普通のボタンと変わりなくできる。ただ、シャツにはちょっとサイズが大きかったのでもう少し小さくすればよかった。

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シリコン型で挑戦

ダイソーで売っているレジン用のシリコン型にボタンの形があったのでそれでやってみる。ある程度細かくしたフィラメントのかけらを型に乗せる。溶かすとかさが減るので多めに。

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 くっつかないようにクッキングシートを敷き、高温に設定したアイロンでゆっくり押さえつける。シリコン型を潰しすぎないように隙間にいらない基板を挟んでいる。

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冷まして型からとるとこんなかんじ。アイロンに当たっていた面は溶けて綺麗になっているが、裏側は固まっているもののモジャモジャ感が残っている。

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レーザーカットでやってみる

別の方法を試してみる。はじめに溶かして板状のものを作る。いらない基板を利用して簡易の型を作り、上下にクッキングシートを敷き、アイロンで溶かす。

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片面やったら裏返してもう一面もアイロンがけする。この時フィラメントのかけらを足してやると平面が綺麗に出やすい。

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フィラメントゴミからできた板状の材料(ボタンはさっき作ったものの裏側)。アイロンは押し付けたら離し、少し移動してまた押し付ける、を繰り返した方がいい。押し付けたまま移動させるとシートがたるんでシワが入ってしまう。右側の板はそれでけっこうシワが入っている。f:id:interestor:20190920083959p:plain

この板をレーザーカットしてボタンの形に切り取る。材料の質、高さが一定でないので少し強めの設定の方がいい。カットしたところが再溶着してしまうので外すのはちょっと力がいる。もう少しふちが溶けていい風合いになるかなと思ったが、この設定ではぼちぼちすっぱり切れている。とはいっても角は丸いのでヤスリがけなどは必要なくていい。

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十分使えて見た目も良いボタンになったので完成。

 

課題

3Dプリンタがある家はあってもレーザーカッターはない家が多いと思うのでレーザーカッターを使わずに完成レベルで作れる方法を確立したい。シリコン型の厚みを薄くする&裏表二度やるのも試してみたが、形が歪みがち。よい型・方法ができたらキットみたいな形で世に出したいですね。

あと、大きい塊を砕く手段。手作業だとつらいのでここもなんとかしたい。

 

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プラスチック再生のプロジェクト達

 プラスチック再生はすでに色々なプロジェクトがある。ペットボトルを使うものや海洋漂着プラスチックを使うもの、フィラメントを作るものなどなど。

 

preciousplastic.com

www.perpetualplasticproject.com

 

特に上記のPrecious Plasticは有名なプロジェクトで器具をオープンソースで公開しているため、日本でも作ってやっているところがいくつかある。

ダイナミックラボ、PreciousPlastic機材一覧 | Precious Plastic Equipment | ダイナミックラボ〜廃校を利用した日本最大級のファブラボ

 

プレシャス・プラスチック・プロジェクト | ヨホホ研究所

 

さらに、PlasticNativeというプロジェクトはPrecious Plasticのプロジェクトの難しい部分(粉砕機の部品のをータージェットや削り出しでの発注)をより加工が簡単なように改良しているそうだ。サイトがなく情報が取りにくいが、MakerFaireKyotoやTokyoで出展しているので興味があれば話を聞いてみると楽しいと思う。

Plastic Native | Maker Faire Tokyo 2019 | Make: Japan