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セリグマンの犬の脱出―escape of Seligman's DOG―

「なぜ道に迷うのか -空間認知におけるヒューマンエラー」のメモ

会社の同僚とやってる、「地図とか位置データに関してなんか作ってみよう会」。 ブログに書いたのはこんな昔だが、その後も細々と続いている。 で、次は「俺たちの考える、道に迷わなくなる地図(ナビ)」を作ろう!ということになった。

認知科学とか好きだし、そっち方面からアプローチしたいな、と思っている。 というわけで読んだことのメモ。


基本情報

空間理解・記憶の特徴から考える

情報省略

  • 情報は省略して記憶される

    • 角度は省略される(交差点など)
    • 距離は大雑把にしか把握されない(距離感覚は目印などの情報量によって左右され、距離自体は記憶されにくい)
  • 空間の記憶を作る情報は5種類だけ

    • 大きな目印(ランドマーク)
    • 道路網・鉄道網(パス)
    • 交差点(ノード)
    • 特徴を共有する地域(ディストリクト)
    • 空間の広がりを区切るもの(エッジ)
  • 情報省略によって、実際の街並みとのズレが発生し、判断ミスが生じる

    • ただし、おおまかに位置関係が保たれていれば、すぐに迷うわけではない

空間記憶

人は2種類の空間記憶を持ち、場合によって使い分けている

  • ルートマップ(道順の記憶)
    • 代わりの道を探しにくい
  • サーヴェイマップ(地図的記憶)
    • 代わりの道や現在地を把握しやすい
    • 覚えた時の向きと違う向きで考えようとすると間違えたり時間がかかる

ナビゲーション時の心的情報処理から考える

ナビゲーション時の心的情報処理は、移動プランの作成と実行 - 人の行動は「行動プラン」に従って実行され、ナビゲーションが必要になれば「移動プラン」が作成され、実行される

移動プランの作成

  • 移動プランとは、意識化された移動の手順
    • 空間の記憶
    • 行動手順
    • 目印順序
    • 手順の確認
  • 地図やガイドブックなど外的情報の活用

手順が十分に意識化されていなかったり、プランが曖昧であったり、不正確な情報があると道に迷う

移動プランの実行

  • 移動プランの実行・監視・評価
  • 現在位置の更新
  • 移動プラン・空間記憶の修正

慣れた場所では無意識のうちに行ってしまい、ミスが発生しやすい

道に迷いやすい人の特徴から考える

方向感覚の悪い人

  • 間違いが多い
  • 道に迷った時に正しい道への復帰が困難
  • 東西南北の意識が弱い
  • 目印の記憶が曖昧
  • 次回に使えない目印を記憶する

方向感覚が悪い人はサーヴェイマップをうまく作っていないと思われる

道に迷わないために必要な心的情報処理

  • サーヴェイマップ利用を意識し、位置関係を東西南北で考え、常に大きな目印の位置関係を意識する
  • サーヴェイマップの中で自分の位置を考える
  • 次回以降も有効な目印を確実に記憶し、意識化しておく
  • 道に迷ったら、分かるところまで戻る、または地図や標識を利用し、自分の位置を知る

所感

  • 脳で省略する情報は地図自体にないほうがいいのでは
  • 5つの要素だけで組み立てるー各要素をパズルのようにして自分で組み立てる訓練をすることで記憶しやすくなるのではないか

  • 「道に迷わない人になるナビ」は、使っているうちにサーヴェイマップを使えるようになるナビ

  • ルートマップを確実にできるようにする→サーヴェイマップを作る、という手順を踏んだほうがいいのか?

    • 効果はその方が上がりそうな気はする。ただし、ルートマップができないとサーヴェイマップができないというわけではなさそう
  • 移動プランを作る訓練をする。迷う人(特に最近の迷う人)は意識的にプランを作ってなさそう。移動プランに必要な要素を一瞬で見て取れる状態の地図にしてやればいいのでは  - 適切なルートプランとはなにか、がま要素があきらかになっていないが

  • 現在位置の更新をどう行うかは結構難しい気がする
  • 東西南北(わかりにくいから色とかでもいいかもしれない)を意識するって、どうやればいいのか?脳内では地図を回す?回さない?
  • 適切な目印を見つける訓練・目印を覚える訓練は比較的簡単にできそう