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ヤクの毛刈り祭り --yak shaving festival--

大掃除のタスクをTrelloボードで作ったよ

大掃除の季節になった。普段ちゃんと掃除をしていないので、大掃除は一大エンターテイメント。リストを作って着々と進めたい。なにしろ大掃除はたくさん選択肢があってADHD傾向がある人には大変なのだ。その点リストがあると、立ち尽くさないで作業に入ることができる。 また、大掃除は普段掃除に参加しないメンバー(うちは夫)が参加するチーム作業ので、どこまで誰がやったかわかるようにしたい。で、いつも使っているTrelloでやろうとリストを作った。 チェックリストやコメントが書き込めるのと、なによりカードを移動させるという操作が気持ちよくてよい。

中身は「大掃除 リスト」とかの検索で出てきたものを適当につめこんだ。 Trelloはボードを公開するとコピーして使えるのが便利。 せっかく作ったので、Trello派の人はコピーして、自分の家の部屋割りと使える時間とどこまでやりたいかでカード消したり足したりして使ってください。

trello.com

右上のボードメニュー>もっと見る>ボードをコピー

ちなみにみぎっかわにある空いているリストはスケジューリング用に使う。 大掃除のスケジューリングは以下の二つがメジャーなようだった。

  • 何日にどこ、と場所ごとにわける
  • 必要な時間ごとにわける

かかる時間ごとにカードを移動したり、ボードに日付を入れることでスケジューリングしやすくなる。 もちろんTrelloのもともとの使い方のように締め切りを入れてもよい。

細かい手順とか気づいたことがあればめもったりしておくと来年さらに楽になるのではないか、と思っている。

参考

決定版!大掃除 チェックリストで手順とコツをおさえよう - セシール(cecile)

年末大掃除特集!場所リストと順番ガイドでサクっときれいのコツ - くらしのマーケット

リモートルームで専業主ふや産前産後の苦しさを減らす(そしてさらに)

qiita.com

この前littlebitsAdventCalender2016に記事を書いた。技術的にはslackからlittlebitsのサーボを遅延少なく動かす、というもの。目的は、ビデオチャットでつながっている家のカメラを動かすこと。このビデオチャットで家と家が繋がった状態のことを勝手にリモートルーム(前はハウスと呼んでたけど変えた)と呼んでいる。リモートルームはもっとうまくいく仕組みにしてもっと広がればいい取り組みだと思っている。

なので、なぜこんなことを始めたのか、どんな感じなのか、どういう可能性を感じているかについて少し書きたい。

なぜ始めたのか

私は今年の春に仕事をやめ無職になった。それでいきなり家にいる時間が増えた。会社にいるころは人がたくさんいて「仕事以前にあんな人がいっぱいいるところに行くのがいやだ」とか思っていたのに、いざずっと一人でいると、さみしい。厳密にはI miss you的な感情を揺さぶられるようなさみしさではないのだが、なにか些細な面白い出来事(例えば畳もうとした洗濯物のタオルが完璧にインターネットエクスプローラーの形になっていたとか)があった時にそれを共有できる人がいない残念な気持ち、一人だなーという自覚のようなものか。一人旅ではおなじみの感情だし、嫌いな感情ではないのだが、しかし一日の大半をそうやって過ごす日がずっと続くとだんだんと澱がたまるように倦んでいっていまう。話さなくてもいいのだが、話しかけられる位置に人がいることは、一人が好きな人間にとっても思ったより重要であるようだ。もしくは、単に刺激が足りないのかもしれない。部屋で過ごしていると、文字や視覚からの平面的な刺激が多い。他の人間は人間にとって最も刺激的なので、それがなくなることで刺激の総量が足りなくなってしまったのかもしれない。

そんなことを考えている時期、周りがどんどんと妊娠していたり出産したりしていった。その子らの話を聞いていると、妊娠中や子供が小さいうちというのはなんだかいろいろな種類の制限があって、家にいざるをえない時間というのが(人によっては)けっこうある、というのがわかってきた。そしてそこにあまり見えない種類の苦しさがあることもなんとなく伝わってきた。

そして数か月前、ある友人が妊娠し、だんだんとTwitterに苦しみの割合が多くなっていった。もともとガンガン仕事をしプライベートでも会を開いて人と交流していく、ついでに酒飲みの彼女は、しかし妊娠によって非常に行動を制限されているようだった。ただでさえ妊娠中はホルモンバランスが崩れ情緒が安定しなくなる上に、いっきに人との交流が少なくなったことが彼女を苦しめているんではないかと感じた。また、その苦しみのはけ口は唯一のリアルなコミュニケーション相手である夫に集中してしまいがちになる。直接苦しい思いを口に出すところまでいかなくとも「夫に話しかけたいことの量」は話し相手が外にいた時よりも増える。でも夫は今まで通り外で働いて人と話して、むしろ人と話すことに疲れている、そういうギャップから、夫への不満が拡大し、関係が悪くなりやすくなる。もしかするとそういうことも起こっているかもしれない、と思った。

他にも妊娠中や子供が小さい友人の「外に出たい、働きたい」「人と話したい」という声がSNSで目につき始めた。何かできないだろうか?そう思った時、夫の会社でやっていたリモートワークの様子がふと思い出された。会議用とは別に、会社に据え置きのWEBカメラがあり、そこは常にビデオチャットでつながっていて、人が来たときとか、話しかけたいことがあるときにはすぐに話しかけられる。ビデオ会議とはちょっと違う、よい体験だった。あれ、使えるんではないか?そう思った。それで、友人らに声をかけてやってみて、一か月くらいがたった。

どんな感じなのか

状態

  • 人数:4世帯がつながっている(1世帯は入院などで参加できていないので実質3世帯)。私(無職で専業主婦状態)と夫、妊娠中で自宅安静が必要な友人(とその夫)、クラフトビール屋の男性(子なし)、それと落ち着いたら参加してほしいなと思っているのがついこの間出産したばかりのの友人。いちおうそれぞれみんな知り合い。よく知っているわけではない、という感じ。
  • ツール:appear.in を利用。ハングアウトより複数人で繋いだときにみんなの画面が見やすいのと、アクセスや操作がしやすいと感じている。WEBカメラはうちはHD1080pというちょっとよいのを使っている。みんなはPCのを使っている。画質の悪さや遅延は一気にコミュニケーションの質が落ちるので気をつけたいところ。たまに聞き取りにくかったり遅延したりすることがある。
  • 利用の様子:平日の大体10時からよる19時位までを目安として、私の家は出かけていないときはできるだけつけている。そこにそれぞれ遊びに来るような感じ。妊娠中の友人はよく夕方につながって、羊毛フェルトを作ったり編み物をしていたりする。お互いなにか話しかけたくなったら話す感じで、結構もくもくと作業をしている。ビール屋の男性は話したいことがあるときに来ている気がする。あと家で作業しないといけないことがある時かな?あと夫が会社からつなぐときがある。会社の人で私を知っている人もいるので、ご飯タイムに少し話したりすることもある。誰もつながない日もぼちぼちある。かなりゆるい。
  • 運用的なこと:一応毎日つなぎ始めるときに「つけました」というのと外出などで早めに切るときはその旨をfacebookグループでお知らせしている。お知らせなしにつけていたこともあるのだが、どうも人が来なくなったのでやはり通知することにした。
  • ルール:ルールというほどでもないし明文化もしていないし必ずしも守っているわけではないが。気を付けていること。

    • 人が来た(つながった)時には挨拶をする

    • 1つなぎ一回くらいは話しかける

    • つなぐ人は基本マイクや映像は切っていてOK。ホスト側である我が家はできるだけつけておく。

感想

全体的にはよいと感じている。

  • やはり話しかけれるのはよい。あと、話さないでもつながっているだけで何かしらの心地よさがある。
  • ごはんをネット越しであろうと人と食べられるのがとても良かった。
  • 集中して作業しやすくなる。ある程度人の目を意識することと、他人が作業をする様子が見えることで、自分のやる気が出る。
  • 人の作業や家事が見られるのは面白い。羊毛フェルトとか作るとこ見たことなかったので新しいことと出会えていい。あと料理の様子とかも見るの楽しいし、情報交換的なこともできていい。
  • つなぐ以前より仲良くなった気がする。そもそもそんなに頻繁に連絡を取ったりする間柄ではなかっただが、以前より近くなった感じ(当たり前か)。
  • 友人からも「よい」と言ってもらえている。「生活音が聞こえるだけでなんかよい」という意見もあった。あまり彼らから感想を聞いていないのでもうちょっと聞いていきたいところ。

悪いところは、人がいるときにははばかられる行動や発言をしてしまって「やばっ」となることがあることか。まぁオンの時間帯は職場にいたり人が遊びに来ているときくらいに意識しておきたいところ。

どういう可能性を感じているか

まだまだうまくいっていない部分もあるが、このリモートルームには結構可能性があるのではないかと感じている。

まず、家に一人でいる人らのさみしさの緩和、それにより家庭や子育てがうまくいったり、前向きに何かに取り組めたりするエネルギーを得られること。 

そして妊娠~子育ての不安の解消や知識の共有。現代、当事者になるまで妊娠や子育ての知識や経験がない人が多いのではないかと思う。当事者になって初めて勉強したりするわけだが、そこにはやはり不安がつきまとう。また子供が生まれた後は忙しくてそこまでいろいろ調べたりする暇はない、でも気になることはいろいろある、という状況になりがちなようだ。そして、出産や子育ては様々な価値観に基づくいろいろな流儀があるのだが、その時に情報交換をできるコミュニティ(妊婦教室や保育園のお母さん会など)はこれまで築いてきた価値観の近い人間とは切り離されたばらばらな人間が集められたものである(それはそれで有用だとは思うけれども)。出産や子育てについて、これまでの価値観の近い人間とのつながりをベースとした情報交換ができるとよい。リモートハウスはそういった近い価値観の人間のつながりをベースと知った、出産や子育ての「予習の場」となりえるのではないか。リモートハウスには専業主婦や出産前後の人、自宅で働く人などが多くなるだろう。そこには「子供を産みたいと考えている人」「子供について考えるがイメージが持てない人」「妊娠中の人」「小さい子供がいる人」「子育て経験がある人」などがグラデーションで存在し、生活を一部共有することによって妊娠や出産に関する知識が自然に共有されることになるのではないだろうか。また、妊娠中や子育て中にできる仕事に関する情報やノウハウも共有できるようになるとよさそうだ。

最後に、薄い家族としての可能性。出産前後に限らないリモートハウスについて、少し未来に思いをはせた。私は家族とは血のつながりではなく一緒に過ごしたことによって規定されるものだと思っている。であれば、生活の一部を共有することが長期間にわたって続けば、それはもうある意味で家族となるのではないか。たとえそれがネット越しであろうと。もちろん従来の家族に比べて、空間の共有がない分薄い家族とはなろうが、そういう薄い家族がいることは、従来の家族や親類のつながりが薄くなった現代においては有用なのではないかと思う。

特に、生まれた時からずっと生活の一部を共有している子供がいる、ネット越しでも、というのは「新しいおじさん、おばさん的なポジション」になりうるんじゃないかと思う。このまま子供を産まなかったとしても、そんなネット越しの子供がいたらなんかそれでいいんじゃないかという気はする。逃げ恥(ドラマは見てないけど)の百合ちゃんとみくりみたいなかんじかな。

課題など

まぁいろいろと課題はあると思う。

  • 従来の血縁関係ではない間柄でリモートで家をつなぐことがどこまで広がるか。広げたいが、どうやったら広まるんだろうか。

  • また、現在は私の友人という範囲でやっているが、マッチングをどうするかという問題がある。全然知らない人間ではなく、友人や友人の友人くらいでマッチングできるといいのだが、そこをどうするか。少なくとネットだけでやり取りする前にリアルで一回くらいあっておいたほうがいいと感じているがそれは必要か。

  • 長期的にいい関係を気付くにはどうしたらいいか、立ち消えにならない仕組みはつくれないか。

  • 留守がわかってしまい悪用されることもあるのでは。

などなど。いくらでもありそう。

ただ、それまで持っていた関係の多くが一時的に絶たれてしまう時期において、孤立の緩和をするには確実に(というのは強すぎるかもしれないが)有用だ。ネットごしを主とした関係ではあるが、つながりと知識の共有によってリアルな助け合いも生まれやすいのではないかと想像する。ハッピーな人は増えると思うし、広げたい。これを読んで真似してやってみよう、とか、広げるのに協力してくれるっている人が少しでもいたらうれしい。もし質問とかあったら答えます。Twitterid:@interestor。

長寿と繁栄を。

おまけ

↓使っているやつ。カメラもマイクも調子はいい。 沖縄はたしかchromeboxでやってた。

おうちを拡張しようとしている話

これは おうちハック Advent Calendar 2016 16日目の記事です。

はじめに

おうちを改造して便利で愉快な暮らしを送りたい。でも、現実のおうちにはいろいろな制約がある。狭いとか、壁紙を毎日取り換えられないとか、ペットが飼えないとか、アニメのキャラクターが3次元で存在できないとか、ともかくいろいろだ。もちろん、制約の上でよりよい解決策を求めハックをするというのは楽しみだ。が、今回はその制約自体を取っ払ってしまおうという試みをしたい。

現実のおうちでできないなら、おうちを仮想世界にもっていけばいいじゃない。世はVR元年、我が家にもHTC VIVE がある。これを生かさない手はない。現実と仮想のおうちを行き来し、ハックする未来のための第一歩として、VR空間内に自分ちの部屋を再現したいという野望のもと、ゲーム作りとかやったことない主婦が今日1日でできたところまで書きたい。(正確には昨日からだが、出かけたりしていた時間を除くと実質1日)

おうちハックじゃなくてVRのアドベントカレンダーに書けという声が聞こえるが、これはおうちハックであると言い張りたい。

現状の結果


VR ROOM試作テスト1

HMDでそれっぽく部屋を見ることができた。モデルの再現度はいまいち。下記読んでもらうとわかるが、インポートした時点でマテリアルなどが一部欠損してしまったため。触れる、動かせるものはまだ配置できていない。

でもなんとなくVR内にもホームができた感じでうれしい。 目立つ木の箱みたいなのは我が家で棚として活用されている棺桶です。

今後の野望と所感

したいこと

  • 再現度を上げて、「あれ?いまどっちだったっけ?」と迷ったり、現実世界でリモコンで移動しようとするようになったりしたい

  • リアルおうちで本が棚からあふれており、電子書籍にすべて移行しようかというところなのだが、ちょっと寂しいのでVR部屋内に電子書籍本棚を作ったりしたい

  • ペット飼ったりしたい

  • 小麦粉をぶちまけたり歯磨き粉を全部ひねり出したりして遊びたい

もっといろいろこれを使って遊びを編み出したい。あと真面目な使い方として、よりVRへの没入度を高めることができるのではないか?と思っている。私はVRでも「これはゲームだ」と思ってしまいあまりゾンビや高いところを怖がったりできないのだが、それは現実とバーチャル空間がはっきりと分かれているというのも一因だろうと思っている。ゲーム内に現実に良く見知っている場所を作ることで、バーチャル空間と現実が地続きになれば、よりよくわからない経験ができるのではないか(それが危ない、という人もいると思うが)。まぁここら辺はMRとかが担ってくれるかとは思うのですが。各ゲーム世界に入るのに、家からドアを出ていくみたいなUIができるといいな。

今一番やりたいのは、夫が寝ている間にHMDかぶせてVRおうちにする、という遊びです。ていうか私にやってほしい。

作ったやりかた

間取り図を作る

これは我が家に間取り図が残っていないからで、間取り図がある人は不要。 MagicPlanというアプリで、カメラを見ながら部屋の角をタップしていくだけで間取り図ができる。割と楽しい。 作った間取り図をメール添付で送れるので、送って保存しておく。 MagicPlan - Google Play の Android アプリ


MagicPlan 4.0

Sketchupモデリング

Sketchupをダウンロードする。CADとか触ったことがなくても、説明をほぼ見ないでも直感的に操作できる。すごい。 3D modeling for everyone | SketchUp

先ほど作った間取り図の画像をインポートして下書きにし、それに沿って壁の輪郭を作る。壁を押し出しで立ち上げ、テクスチャを張っていく。で、家具をダウンロードしてきて配置。

このサイトを飛ばし読みしながら作っていった。 家作成|使い方できない事を解決 | google sketchupスケッチアップ 初心者 使い方 入門講座

とりあえずダイニングと作業部屋を作った。我が家に来たことがある人はぼちぼちの再現度であることがわかるだろう。 f:id:interestor:20161217013735p:plain f:id:interestor:20161217013744p:plain

グループにして、dae形式でエクスポートする。ダウンロードしたばっかの人とプロの人はfbxでもエクスポートできるのだが、UnrealEngeineにインポートしたときにテクスチャがはがれてしまったためdaeでいったん出した。

変換する

FBXconverterをダウンロードする。先ほどのdaeファイルをaddし、fbx2012を選択して変換する(2013だとうまくいかない。ここでちょっと詰まった。)。

usa.autodesk.com

UnrealEngineに取り込む

UnrialEngineをダウンロードする。初心者でもめっちゃ使いやすい。すごい。 https://www.unrealengine.com/ja

VRで使えるように下記のように選んで新プロジェクトを作成。現バージョンのUnrealEngineは特別な設定をしなくてもVRで使える。 f:id:interestor:20161217013748p:plain 他にはここをみながら設定した。情報がちょっと古くて、今はしないでいい設定も含まれているっぽいので、あれ?と思ったら飛ばした。 Unreal Engine | 2. SteamVR で使うための UE4 の設定方法

さっきのfbxファイルをコンテンツにインポートする。ここでいくつかテクスチャのはがれやインポートされないコンポーネントがあった。

プレイからVRプレビューを選択すると、もうVRで見れる! これが冒頭の動画。

どのソフトもUIがわかりやすくて初心者でも使えて無償で、これは今の中学生とか楽しくてたまらんだろーなーって思う(中学の時プログラミングはじめたけどゲームを作ろうとして速攻でギブアップした私)。UnrealEngineの本を貸してくれたplatronicalありがとう。すっごい最初しかやってないけどすごいわかりやすかった。本家のチュートリアルビデオより全然わかりやすかったのでおすすめ。

明日の記事は、っていうか今日はid:ruteinyoyokk121さんの「超簡単!Amazon Dash Buttonで作業時間を可視化する!」です。

www.tatetate55.com

ではよいおうちハックを!

3331α Art Hack Day2016に参加した

3331α Art Hack Day 2016

これに出てきた。3日間のハッカソン。 テーマが「生命としてのテクノロジー」とおもしろそうだったので申し込んでみた。

リーダー(原案の立案者)が離脱してメンバーが足りなくなったりとかなんかまぁいろいろつらかったので詳しくは書かない。 ただ、一応形として何らかの物は作れたので、経験だと思いここに記録しておく。

クオリティとしては全然納得のいくものではなく、賞も逃したが、 講評で審査員の落合氏が「〇〇(最優秀作品)とこの作品がよかった」的なことをコメントしてくださったのが唯一嬉しかった。

学び

あくまで、アートのハッカソン、それも割と高いレベルを要求され、チームの事前準備がとれなさそうな場合、という条件限定だし正しい学びではない気がするが。

  • 企画(リーダー)を勝ち取れ、引くな
  • 4人以上のチームに入れ
  • もやもやは早い段階で話せ
  • 責任感を負いすぎない、楽しめ
  • 無理があろうと地図(自分の専門)の要素をぶっこめ
  • アート、テーマを正面から捉えて主張すべきものを作る必要はない、解釈はいくらでも作ることができる(プランナー的には気持ち悪いんだけど)
  • 問題がありそうな場合は早めに運営に連絡。下手に延命させるよりやめることを選択した方がいいときもある。どちらにせよ態度を明示せよ。

人と物を作るのはむつかしい。というか私はあまり得意ではない。それを知り合ったばかりのメンバーでやるとなると、さらにむつかしい。集まったメンバー次第で、作るべきものを作るかそれぞれの特技を生かせるものを作るのかというのも調整しなければならないし(最近人に言われたのだが、この「作るべきもの」みたいなものをもってしまいかつそれが貫けないのがつらくなる原因っぽい。)、皆が専門家だと隙間も発生しやすい。ただ、ふだんやらないことをすると発見はあり、終わった今は、経験としては良かったと思える面もある。今思えば、アーティストに近い立場をとり、地図をベースとした案を出して自分の企画を進める形にできればもっと良いものができたような気がするし、精神的にも楽だったのかと思う。

まぁそうですね、リベンジ、できるものならしていきたいですね。

はじまりのうた感想

クソったれな気持ちで目が醒める朝、というのがある。今日はそんな感じだった。雨で肌寒い。二日酔い気味の頭と、酒とタバコの臭いが残ったままの臭い体。 水を飲んで一息いれるとフラッシュバックしてくる記憶。昨日の自分におまえ何様だ、と言いたくなる。寝ている夫を見れば、昨日の自分の無様な行動を思い出す。 最悪とは言わないまでも、最低の気分だ。

で、ふと、こう思った。

そういえば随分と、レンタルビデオ店でヒューマンの棚に置かれるような作品を見ていない。昔は好きだったのに。感動大作じゃなくて、単館上映してそうなやつ。

朝の7時。普段の休日なら二度寝をする時間だが、寝れそうな気配がない。夫は寝ている。布団から抜け出す。

AmazonビデオとNetflixで探すが、なかなかピンとくるものがない。しかたなく、ギターを弾いている画と、公園のベンチに冴えないおっさんが座る画が交互に現れる映画を選ぶ。説明は「会社をクビになった音楽プロデューサー。小さなステージで歌うシンガー。お互いに出会い、それぞれの人生に変化が現れる」。微妙だな、と思いながら、しかし他に良いものもないし、評価の星は4つ半。悪くはないだろう、と再生ボタンを押す。


『ONCE ダブリンの街角で』監督が手掛けたドラマ!映画『はじまりのうた』予告編 ※この予告編ちょっと女性の恋愛重視でちょっと人を選ぶと思うんだけど、半分おっさんが主役だし、恋愛映画としてでなく見れると思う。

で、感想としては、良かった。わりとベタにキメてくるので人に好きだと言うのは恥ずかしいけれど、安定感があった。こんなこと起きないだろうな、とは思うものの、そんなのは映画だからいいのだ。フィクションの希望が気分を明るくしてくれるときだってある。まぁ全体のシナリオはね、恋愛に傷ついた女性が落ちぶれているけど実はすごい人に見出されてなんかちょっといい感じになったりしながら元気になる、という風にまとめてしまうと、またか、という感じはするんだけど、それがギリギリいやらしくないところでストップされているし、ともかく、各々のシーンとか、キャラクターとか、音楽とかが良い。これはもう言うまでもないので、見てほしい。特にハーレムでの録音シーンと、エンパイアステートビルの近くの屋上でやるシーン。きっと「警察呼ぶぞ!」って怒鳴り声までアルバムに入ってるんじゃないか。ああいうこと、やってみたいものだ。

見た人と喋って「だよねー」って言いたいので、みんな「君の名は」ばっかり見に行ってないで、家で「はじまりのうた」も見よう。Netflixいいですよ。 以下、良かったところをあげるが、ネタバレをあるので見ようと思っている人は読まないほうが良い。



まず、主人公の二人が、セックスをしないところがいい。あれセックスしちゃうと台無しだったと思うので、しないで良かった。ふたりで音楽聴きながら街を歩きまくるシーン、理解し合っている喜びが溢れている、人生における100パーセントの瞬間だったし、もう完全に惹かれて、お互いそれを理解しているんだけど、くっつかないっていうの、いい。好きだ。

あと元彼とよりを戻さないところも良かった。彼女の曲を彼女のアレンジで歌うと約束した彼はその約束を破りライブの途中で彼のアレンジにしてしまう。彼は悪気があったわけではなく、彼が見つけて惹かれたもの、ライブでファンと盛り上がると行ったようなこと、を彼女と共有したかったんだろうと思う。ただその行為自体が、彼が変わってしまったこと、つまり彼女とは乖離してしまったことを決定的にしていて、おお、より戻るのか!?と思って引きかけた体を一気に戻された。良い悪いではなく、変わってしまって、戻れないことの決定的さみたいなもの。

サブのキャラクターたちが魅力的。おっさんの妻の感じがもろ好みで、人生と戦っている女性、という感じで良かった。あと、女性主人公の男友達!絶対これ昔主人公好きだったよなーとか思うんですが、もういいやつすぎて彼には幸せになってほしいですね。バンドメンバーもちぐはぐな感じで良かった。ラッパーのバックバンドっぽいドラムとギターに、コミュニケーション障害ありそうな音大のエリートバイオリン君とその姉のチェロ。バレエ教室でバイトしていたピアノ。バレエ教室でピアノを弾いてて声かけられて3秒くらいでバレエ教室を辞めるところ良かった。辞めるけどお前たち頑張れなーって言われたちっちゃいバレリーナたちが、はーいって返事してるところとか。

あと最後、曲をダウンロードできるようにしちゃうところと、結局またクビになって終わるところはクールでしたね。

自家製エビオス錠で精子は増えるのか

真面目な実験というよりネタです。

 

エビオス錠というものがある。お腹の調子を整えるものなのだが、むしろ精液の量が増えるということで有名だったりする。原料はビール酵母エビオス錠の作り方をみてみると、ビールの搾りかすを洗って乾かして粉にする、ということらしい。

ビール酵母のひみつ|アサヒフードアンドヘルスケア

 

これ、作れるんじゃないか?ということで作ってみた。

 

 手順

ビールキットというのがamazonやら東急ハンズで売っている。麦汁とビール酵母が入っている。いろいろあるが今回はこれを使った。お湯に溶かして砂糖を入れ一次発酵させる。

手作りビール キット缶 ブルーファーム タルベビール

 

麦汁を発酵させたあと、下の方に溜まっている液。ビールっぽいけどちょっと違う微妙な味。上の方は透き通った液体だけど、下の方はドロっとしててベージュっぽい色。


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上澄みを捨て、水を足し、しばらくおいて沈殿させたらまた上澄みを捨てる、というのを2回繰り返したのがこれ。ベージュのドロっとしたもの。本物のエビオス錠ではここでビール酵母とそれ以外のホップのワックスなどを分離させるとのことだけど、調べたら体に悪いものではない(ただし苦い)ようなので、これをそのまま使うことにする。
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良い乾燥のさせ方が浮かばなかったので、バットにあけてトースターで乾燥させることにする。

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熱加えちゃって大丈夫かなーと思いながら低温でじっくり焼き上げ乾燥させる。600wで様子を見ながら1時間くらい。お菓子でも作っている気になる。実際には精子を増やす汁をトーストしているのだが。


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待っている間に、酵母ほんとにいるのかなーと思いこぼした汁を顕微鏡で見てみる、と、カスみたいなものと、無数のまんまるなつぶつぶが。このページの2枚目の写真みたいな感じに見えた。写真とろうと頑張ったんだけど、ピントがあわせられず取れなかった。残念。うっすら見える。

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 焼きあがったものを冷蔵庫でさらに水分を取ると、やばい感じのものになった。硬くて微妙な弾力がある。作る前は、シート状になったものを切ればいいと思ってたんだが、これは‥


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急遽百均ですり鉢を買ってきてすり潰す。漂う魔女感。もしくはシャーマンだろうか。それにしても全然潰れない。はじめてミルがほしいと思った。
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諦めて粉とは言えない欠片の状態のものを、無理やりからの錠剤シートに突っ込んで固める。すごい出来の悪いチョコレートみたいなものができる。

 

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 実験

まず自分で飲んでみる。お腹に良い、とのことだがむしろお腹を壊さないか心配しながら飲んだ。端的に不味い。味はエビオス錠っぽいがマズさが市販のものよりさらに強い気がする。その後お腹を壊すことはなかった。

 

さて、しかしエビオス錠の効果としておもしろいのは精液の量が増える、という方である。私は女性なので自分で試すことができない。後輩に頼んで人体実験に協力してもらった。夫は怪しんで食べてくれないだろう、そして元同期には断られた末のセレクトである。先輩としての圧力を使ったようで申し訳ない。

こんな感じ。のを渡した。よく飲んでくれたな。
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結果

1週間後に結果を聞いてみたところ「特に変化は感じませんでした」という答えだった。まぁ、市販のエビオス錠だと大人は1日30錠と用量が記載してあるので、飲む量が足りなかったのかもしれない。しかしそんなに飲むんだ。驚きである。あと熱を加えたのが悪かったのかなーとも思った。

 感想

結果は残念であったが、魔女になったような気分になれなかなか楽しかった。なにしろはじめて自分のお小遣いで買った本は魔女の秘密、という絵本だ。今後さらに怪しい薬を作っていきたい。

 

人類滅亡後の音楽とFabCafeのバイオラボを「見て」きた

これが新しい形の楽譜、音楽をDNAに組み込まれたバクテリア

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夏が去りすっかりアンニュイな気分ですこんにちは。

バクテリアを利用して音楽を作る、というバイオアートっぽいことがやられているなぁと思ったらやくしまるえつこで(好き)、かつFabCafeに新しくできたバイオスペースで展示を見れるということで行ってきた。主に展示よりも、バイオスペースどんなところだ、という興味で行った感じ。

やくしまるは、このシアノバクテリアの一種である微生物「シネココッカス」の塩基配列を組み込んだ楽曲を制作、さらにその楽曲情報をコドン変換し、DNAを人工合成してこの微生物の染色体に組み込み、楽曲そのものはもとより、この遺伝子組換え微生物そのものを『わたしは人類』として発表。

http://yakushimaruetsuko.com/archives/2602

 

kenpoku-art.jp

見に行くとわりと驚くと思う。曲とかではなく、展示のされ方に。まず、FabCafeに展示ということだが、カフェスペースではなく、となりのFabCafeのシェアスペースの方

の建物の二階でやっている。しかも、そのシェアスペースのさらに奥、外階段に出たところにある小部屋。そして階段で靴を脱いだ上で入る。まぁラボだもんね。全体で4畳くらいのスペースだろうか、しかし立入禁止テープが貼ってあって入れるのは1畳分くらい。しかも、スタッフの人がついてくる、なかなか落ち着かない感じ。カメラも常に動いていて、録画されているらしい。まぁ遺伝子組換え生物なので、持ち出して漏れたりしたらだめなので管理をしっかりしているということなんだろうな。


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中は暗く、テレビで曲が流れている。正面に冒頭の写真のように培養中のバクテリアが展示されている。具体的にどうDNA配列が生かされているのかとか、どう組み込んだのかとかの解説は一切ない。

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まわりはクリーンベンチや顕微鏡があったり、バイオっぽい雰囲気がある。理科室や研究室というより、なんとなく理科準備室とかマッドサイエンティストの家みたいな雰囲気に感じる。

 

スタッフの人に聞いたところ、このスペースをFabeCafeやFabLabのように開放して利用できるようにはまだなっていないとのこと。できたばかりなこともあり、まずはイベントや展示などで使っていくということだった。

 

展示はまた11月からもやるとのことなので、FabCafeでお茶のみついてにぱぱっと見てきても良いと思う。

 

あと、展示は13時〜18時。ちゃんと見てなかったので行ったらまだやっていなかった。昼だったので肉を食べながら待った。あと窒素が充填されたコーヒーも飲んだ。見た目ビールみたい。炭酸とは違って酸っぱくなくて意外にまろやかな感じだった。


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肉です。
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コーヒーです。

 

 

保存

保存

交通費変形地図について言いたいことを言っておく

はじめに

少し前に交通費変形地図というのを作ってみた。ほんとに作りたいやつのプロトタイプとして作ったのだが、思いの外拡散して、いろいろとコメントもあった。この、まぁ大体知り合いしか読んでいないだろうブログで言いたいことを言い放っておきたい。初めはグチとかを書こうと思ってたのだが、そのうちに「どうしてこうしたか」「どうしてこうなったか」というのについて延々と書く感じになった。

http://geodatavisualize.tumblr.com/post/149822189576/交通費変形地図都道府県ver
geodatavisualize.tumblr.com

背景とやりたかったこと

物理的な距離とは違う距離についてと、人の移動について

「物理的な距離とは違う距離」というのを表したかった。

物理的な距離的には近いはずなのに電車がなくて行くのに時間がかかる、とかあって「あそこは近いのに遠い」と思ったことがある人はけっこういるんじゃないだろうか。その時の遠いというのは「人の移動にかかる時間的に遠い」ということで、時間的な距離について語っている。他にもそういったものはある。「インターネットの情報が伝わる時間的な距離(通信距離)」とか、今回作ったような「そこに移動するための交通費的な距離」とか。

この、その場所にたどり着くための⚪︎⚪︎上の距離、というのは物理的な距離とは違ってくる。しかし、それでいて物理的な距離と完全に独立に存在しているわけではない。物理的な距離が遠ければ時間もかかるし、お金もかかるということが多い。物理的な距離は制約として作用し、影響を及ぼす。そういった、物理的な距離と関係を持ちつつ、それとは違うレイヤーの世界(情報)を認知できる形で表したい、地図にはそれができる、と思った。まぁというか、地図とはそういうものだ。「地図作りとは世界の編集」と書いていたのは「情報デザイン入門」*1だったろうか、全然違うような気もするが、まぁともかく、世界を別の軸で切った地図を作りたいと思った。

そこでテーマにしようと思ったのは「人の移動」についてだった。全国に交通網が張り巡らされ、新幹線が走り、羽田空港からは数分おきに飛行機が飛ぶ現代日本。江戸時代には江戸から伊勢に行くのに片道2週間程度かかったといわれるが、現代では3時間もあれば行ける。ずいぶん簡単に移動できるようになった。人の移動は増えているだろうし、増えたほうがたのしいなぁと思っている。おもしろい人に会えたりおもしろくない人に会えたりすごい景色見たりすごくない景色を見たりできるのは良い。人の移動を地図にすれば、物理的な制約が大きかった時代からの変化とか、物理的には遠いけど実は近いお得な場所とか、これからもっと近くするべき場所はどこかとか、どうしたらもっと近くなるのかとか、わかるんじゃないか。いいじゃん。

人の移動から、交通費地図へ

で、人の移動について考えた時、移動を「コスト」から見るべきだろうと思った。移動のコストを分解すると、時間コスト・費用・心的コスト(あと手配コスト(調べたり切符買ったりとか。)もあるが、でもまぁ日本国内であればあまり差がなさそうなので無視)の三つが重要なんじゃないかと思った。

時間コストについて。移動の最中でもPCやスマホなどがあれば仕事も遊びもできる現代では、移動時間に対する重要性は(あくまで相対的にだが)下がっているのではないかと思い、時間地図を作るのはやめた。なにより、時間コストについては時間軸変形地図というものや、その他にも幾つか作られている。他の人が作っているならまぁ作らないでもいいかな、と思ったのが大きい(表現の仕方や切り口など作る余地はまだまだあると思うんだけどまぁ気分的に)。

心的コストについては元とするデータの収集が困難そうだ。使いまわせるデータは落ちていなさそうだったし、自分で収集するには個人個人のばらつきが大きくて、客観的なデータとして扱うにはどれだけデータを集めればいいんだという感じがする。無理。

ということで費用(=交通費)を軸とした地図を作ることにした。時間コストと費用を掛け合わせることも考えたが、掛け合わせ方にあまりいいアイデアがなかったのでやめた。(書きながら変形しない表現なら可能だな、と思った。色での表現とかいいかもな。)

データの取り方について

批判的なコメントで多かったものに「⚪︎⚪︎に行くのにはそんなにかからない」「ある交通手段が考慮されていないので信頼できない」といったパターンがあった。この手の問題は、データ作りの方針を決める際にも議論された。まず、どこまで交通手段を含めるのかその範囲について、そしてデータを得る手段について。

交通手段については、公共手段に限り、鉄道、バス、飛行機にした。コメントに「格安バスの料金になってしまうので格安料金なしバージョンも見たい」というものがあった。確かに、実際に移動をすることを考えた時に、より広くの人に使われるであろう手段に絞り、鉄道と飛行機にする、もしくは「移動時間が6時間を超えない手段のみにする」としたほうが実用性はあるかと思う。ただし、この地図は実用性を考えておらず、驚きや発見を重視したかったので、安さを優先した。また、バスや鉄道だけでは距離に比例する要素が大きく、意外性のある結果にならないのではないかという予想があったため、飛行機は絶対に入れたかった。

では、その鉄道、バス、飛行機の料金データをどうやって得るか。そもそも新宿からの各地の交通費のデータなんてものは落ちていない。交通費を扱うAPIを探したのだが、無料で使えるものは残念ながら見つからなかった。そこで、乗り換え系のサービスを利用することにした。ここで問題が出てくる。1.扱われている会社が限られている2.時期・時間によって交通費が異なることだ。

  1. 扱われている会社が限られている 今回利用したジョルダンではLCCや一部の格安バスなどは検索結果に出てこない。しかしこの地図を作るにあたってはLCCは欠かせない要素になる。苦肉の策として、飛行機のみ航空券横断検索サービスを利用することにした。ちなみに運行会社の取扱範囲が知りたかったのでジョルダンに問い合わせているが、まだ回答はもらっていない(9/26現在)。

  2. 時期・時間によって交通費が異なる 飛行機の運賃が時期や搭乗までの日数で大きく変わることはイメージできるだろう。鉄道やバスも検索時間によってことなった経路を案内し、結果料金も異なってくる。理想的には日にちや時間を自由に指定できるような地図にしてやればいいんだが、APIもないし、作るのに時間がかかってしまう。また、複数の結果を出し平均するといった手もあるが、それだって正確な値になるわけではない。今回は割り切って、オフシーズンと言われた10月の特定の日にち特定の時間の検索結果で作成することにした。

表現手法について

時間地図の事例

杉浦氏の時間地図

時間地図については杉浦康平さんの時間地図(1977)というものが有名だ。時間によってメッシュ変形をさせた日本地図である。このダイナミックな変形はえらいかっこいい。今回の交通費変形地図についても当初この手法を利用するつもりだった。

しかし、この時間地図は読み取りがわりに難しい。ダイナミックな変形ゆえに、元々の日本の地形と代表点の位置関係を知っていないと、どのような変化があるのかわからなくなってしまう。玄人向けの地図だと思う。(ちなみに全く批判してない。今この記事のために見直してもやはりすごいし、このレベルまで到達したいものだと思う。ちなみにこの時間地図のモデル化は3次元的で行われていて、時間による空間の歪みが「空間のシワ」という形で表されている。クソかっこいいのである。VR空間でこの空間のシワの中に立ったり外から愛でたりしたい。*2

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Yahoo到達所要時間ビジュアライゼーションマップ

また、比較的最近では、Yahooの到達所要時間ビジュアライゼーションマップがある。色でかかる時間を表しておりわかりやすく、正確性が高く作れる。動画もわかりやすいしクオリティが高く、さすがだなぁという感じだ。

docs.yahoo.co.jp http://i.yimg.jp/i/docs/bigdata/special/2015/map_02.png

ただ綺麗でちゃんとしているものは概して「へー」「きれい」で終わってしまいがちというか、なにを読み取ったらいいか見た人に左右されるところがある。あと作る方としてはもっとおもしろい感じでやりたさがあった。

今回の手法

見る人の目を引き、読み取りにコストがかからず驚きや発見があり、かつ伝わってほしいことは伝わることを目指すために、一目で伝わる、インフォグラフィクス的な手法で表現することにした。(いやまぁほんとは杉浦氏の時間地図とかYahooのやつみたいな、公平というか、見方をあまり限定しないでフラットに表現して、見る人が独自に読み取っていく作り方のが良いと思っている。思ってるんだけど、これだけコンテンツにあふれていて、しかも一目で読み取れるようなコンテンツに慣らされてしまっている私みたいな人間はたくさんいる世の中だと、読み取りにコストかかるコンテンツなんて飛ばして他のコンテンツを見に行くだろうと思うし、それなら引っ掛かりを作ることで見てもらって、そこから「そういう見方もあるのか」と思ってもらえる方がマシかなと思っている。)

多くの人に馴染みのある各都道府県の形はそのままに、代表地点の場所を元に位置を動かした。代表地点までのベクトルに対し、交通費の値を係数としてかけて移動させる*3。わかりやすいように金額距離の同心円を補助としてつけた。また、元々の地図との違いを際立たせるために変形前の日本地図を背景に含めている。変化率については、東京都沖縄の位置が固定点になるように作成した。しかしこの点についてはコメントでもらった指摘のとおり、変化後に一番遠い県か一番近い県が背景の日本地図の元の位置と一致するように作った方がわかりやすかっただろう。まだまだである。

ちなみに今回代表点の移動に関してはQGISで行った上で、各県の移動については代表点を元にイラストレーター上で手作業で行っている。47都道府県だからまぁいいが、多くなってくると対応できないし、自分らの手間を減らすためにももっとツールとか技術とかで対応できるようにしたい。技術も知識もなくてつらいなーって思うしもう少しさくっといろんやなことが入ってくる頭だったらよかったのにな、とは思うがまぁしかたないしちまちまやっていく。

コメントとかについて一部

交通費が正確でない、というコメントについて

「もっと安い!」というコメントは多かった。確かに、ソーシャルでより安い料金情報を収集したが、けっこうな乖離があった。まぁ作りが荒いというのはその通りなのだけど、結構大変なのだ。初めに出したものについて、間違っている、と言われることもあるが、(ごめんほんとに間違ってたところもあったけどそれはちょっとおいておいて)間違っているというより「⚪︎月⚪︎日に検索はジョルダンとトラベルコちゃんしか使わずに調べた人の⚪︎月⚪︎日の日本地図」として見てくれると優しい。

今回の地図を作ったことやもらったコメント、ソーシャルで収集した情報を見て、より納得感のある最安値のデータを作ることの難しさと、交通費的距離の流動性について認識を強くした。交通費的な距離は、時期・時間的な流動性はもちろん、その人の情報へのアクセス(環境・スキル)によって距離が変動する性質がある。時期(時間)をもう1軸もち、動画かインタラクティブWEBサイトとして作ると、「(交通費)距離とは変動するものだ、物理的な地形からみると距離というのは固定されているようだが、実は常に動いている」という表現と認識ができておもしろそうだ。やりたい気持ちはある。(めんどくさくて尻込みする気持ちもある)。

より批判的なコメントをする人に対して

風評被害と言っている人に対して言いたいのだが、多分東京から遠い地方の人だと思うので、自分で、自分の地域を中心として作ってみてはどうだろうか。東京から近いとか遠いとかいってるのはダサいというか、現実にそうなるのはわかるけども、そんなこと言ってるだけじゃますます滅ぶだけじゃねぇかという気持になる。その地域を中心とした地図を描くことで、東京からは遠いけど他の都市圏にはめっちゃ近いとかむしろ台湾が近いとか、都市からは遠いけど周辺が非常にコンパクトにまとまっていて住みやすいとか、なんかそういうのを発見して広めて欲しい。

批判より、「お前のやつここがダメだからこうしてやったぜ!」って作ってくれる方が、批判される方としても納得感があるし嫌な気持ちにならないし、こう、建設的で明るい世の中になると思うので、手を動かしてくれ。それができないならせめて建設的な形でコメントをください。(ただし、もし本当に具体的になにか被害があるという場合には取り下げる用意はある。元サイトの連絡フォームでもこのブログでもいいので連絡をください。)

そういえば私の観測範囲の中では、東京中心であることを批判している人はいなかった。意外。

やりたいと思っていること

二次元の変形でなく高さ方向に変形させた、交通費標高地図を作ってみたい。全国駅版の方でやってみているのだが、駅単位だと標高の表現としては弱い。メッシュを切ってメッシュごとに交通費を出せばいいのだが、公共交通機関が近くにない場所についての処理など、悩ましい部分もある。あと、そろそろ同じネタでやるのも飽きてきたので、ちょっと時間をおきたい。

あと前述したが、インタラクティブにしたい、というか、「時間軸」と「中心点」をいじれるようにしたい。特にこれは日本だけでなく世界でやるとおもしろいと思う。ある程度役にも立ちそうだ。D3.jsとかでやればいいと思うんだが、前やったときめっちゃつまったのでどうしようかなって思っている。先生が欲しい。

さて、やりたいことはいろいろあるのだがまぁ実際作るのは結構めんどくさいし、手間も時間もかかる。無職がなにをいっているんだというかんじもするが、なにしろあまりエネルギーがないので、自分たちだけでなくいろんな人がいろんな感じで作ってくれるといいな。 あとこの地図を一緒に作ったYさんCさんに感謝を。

*1:良い本。新書で読みやすい。最近の本ではないが、十分に読める。中古品1円とかで出てるんだけど絶対それ以上の価値はある。

*2:画像は誠文堂新光社「idea 324」より引用。写真撮ったらボケた。

*3:単純な2次元ベクトルとして計算しており、地球の楕円球を考慮した計算はしていない

HOUSE VISION2016に行ってきた

ちょいと前にHOUSE VISIONという建築の展覧会に行ってきました。

house-vision.jp

毎日講演会もやっていて、プラントハンターの西畠さんの話を聞きに行きたかったのだけど、その日は用事で行けず、最終日に滑り込みで行った。

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最終日だったからだろうか、天気が悪いにもかかわらずめちゃめちゃ人が多かった。あとおしゃれな人が多くて見ていて楽しかった。

 


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一番楽しかったのはこの家で、シェアハウス型の賃貸アパートという感じのもの。

 

専有空間を最大化し、共用部分は通路のみという構成でできあがっていました。しかし、もしもプライベートな空間を最小化し、キッチンや浴場、シアタールームや庭などを広々とした共有空間にしてみるとどうでしょうか。

というかんじで、共有空間と個人空間を明確に区分けしつつも、共有空間を大きくとったバランスが特徴。
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 正直コンセプト自体は目新しくないが、この小さい箱が集まったみたいなデザインと上に積み上げる感じが秘密基地とか、バーバパパの家みたいで楽しかった。「地域社会圏」に出てくる家とも似ているなと思う。地域社会圏ではさらに大きな、村レベルの構想もあってさらに面白い。


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残念ながら雨だったので味わえなかった、冷たい水に足をつけ、緑と水を見ながらビールが飲めるコーナー。一人だったので晴れていてもやったかは微妙だけど、やったら気持ちよかっただろうな。f:id:interestor:20160912150401j:image

かわいいテント。これは電気自動車とセットの展示で、自動車をバッテリーとしてアウトドアに遊びに行こうぜ、というもの。とりあえず形がかわいい。伸縮性のある布でできていて、触っても気持ちが良かった。


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これは家の中にさらに家が入ってるみたいな構造の家。


この家は「ニュー・ノマド」すなわち、定点居住というよりも、仕事で移動が常態となったような人々を対象としています。過密に働く彼らは交友の範囲も広 い。どっぷりと暮らしにはまり込むよりも、月の半分を過ごす快適な拠点として、また、知人達を気軽に招いておもてなしができる、そんな空間を想定していま す。

 


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地味に可能性を感じたジッパーで着脱できるテント。

 

全体的にそこまでおもしろい!とか目新しいものはなかったんだけど、実際に人が入れるサイズで作られた建物が集まっていて回れる展示会というのは初めてで、でかいものが集まるとたのしい。それぞれの建物は建築家と企業のコラボでやられていて(まぁだからこそわりと尖ったところのない展示だったのかもしれないが)、建物自体はともかくそこに現れている考え方はずっと先の未来ではなく、すぐ一歩先に実現していくんだろうなぁと感じた。

 

HOUSE VISION、ただの展示会ではなくて2011年からやっている研究会のようだ。現状の住まい方には違和感が大きいので、ちらちらウォッチしておきたい。

house-vision.jp

 

(大人の)夏休みの自由研究発表会に行ってきた。

知り合いが毎年「夏休みの自由研究発表会」というのをやっていて、久しぶりに行った。「学会レベルの発表から朝顔の観察日記まで」というだけあって、本当に各人いろいろで、まじめな証明からネタやら旅行記みたいなのから宣伝っぽいのまでいろいろ。15分の自由LT大会というかんじ。 発表テーブルはこんなかんじだった。 特に私が面白かったのは

  • 薬物依存患者が合法的にヘロインを吸えるオランダの依存治療施設に行ってきました
  • 楽しい中華通販生活(食べ物の話ではなかった)
  • 脳波から見る賢者タイム
  • 栄養の取り方はデータが教えてくれる〜最適化問題を解く〜
  • ストリップはいいぞ
  • タイムリープしたはなし でした。「社会人院生になろう」と「音ゲーにおける脳の使われ方の仮説」は見たかったけど見逃した。

雑多にいろんな人がいろんなことを発表するっていうのは楽しい。普段興味を持たないようなことでも、そこに人がいてそれなりにまとめられていて15分くらい、という形だと大体面白く聴ける。

あとこの会がおもしろいのは、主催が変な人間で、その知り合いもやばい人間が多いので、面白い発表が多いというのもあると思う。過去の「配慮」はやってることもヤバかったし技術的にもヤバかったし発表もヤバかったしすごかった(ので書きたいけど内容がアレなので配慮する)し、「一角獣の家畜化、畜産利用への一考察」もよかったしよかった。(語彙がない)

アーカイブここ。 放送不可のものもちらほらあって、それは入っていない。だいたい放送不可のやつのほうが面白いので、行くのがいいのだが、基本的に「行く=発表」。用意してなくてもいきなり入れられたりする。

で、予定には入ってなかったけど、飛び入りで私も発表した。自己紹介でもなんでもいいので軽いノリで発表できるのいい。

http://www.slideshare.net/interestor/1-65701441

ネタは作っているこれ↓について。

http://geodatavisualize.tumblr.com/post/149822189576/交通費変形地図都道府県ver
geodatavisualize.tumblr.com

今度はもうちょっとやばいのもやってみたいね。

ポリゴンのシロクマのペーパークラフトの型紙を作ったからおいとくね

2016/11/2 ペーパークラフトについてはこちらにまとめなおしました。

geoanimalls.hateblo.jp


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えータイトルのまんまです。画像だと緑の大地に降り立ってますがホッキョクグマです。ホッキョクグマペーパークラフトを作りました。今回は3Dのデータから展開図を作るところからやった、(一応)オリジナルです。

 

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作った型紙データは↓よりダウンロードできます。投げゼニ式なので、チャリンとしてくれると喜びます。

Download

作り方は前に書いたこれ↓と一緒です。ていうか切って貼るだけです。のりしろはついてる。

interestor2012.hatenablog.com

今回、3Dモデルのデータの代わりに、型紙にどこの部品かわかるように絵をつけときました。我ながらやさしいのでは。改善の余地はある感じですが、組み立てられるしおいておきます。

 

組み立てでわかったこと。

 

最近「北極のナヌー」みたんだけど、子供向けの物語調ではなかったし、映像も「これ撮ってる人やばいのでは」ってかんじのすごい映像があるのでオススメです。さすがナショジオ。今Netflixで見られるので入っている人、おヒマな時にどうぞ。

 

 

保存

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だめだ〜だるい〜今日は何もしなかったな〜って唸ってる間にTシャツが作られていた

この記事は8/30に書かれましたが、リリースちゃんとされたので今日アップしなおしたものです。

なんか朝はやる気だったんだけどねぇ。 折り紙を作ったらイマイチだったりとか、プールに行こうと思って調べたらやってなかったりだとか、ツイッターしたりだとか、してたら今日やろうと思っていたタスクに一個も手をつけられないままに夕方になってた。

そろそろ晩ご飯の時間だわなんだこれ、なんにもしていない、だらだらさえしていない気がするのに時間だけが過ぎ去っているぞ。ついでになんかだるい。って思ってたらslackで@htomineから

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って飛んできた。

そういえば昼過ぎに@htomineに「ボロノイのやつ、このロゴの形に作って」と言われて、Grasshopperでボロノイパターンの線画だけ作って送っていたわ、忘れてた。なんか自分が何もしていない間にTシャツとか作ってて焦るなーって思ったけど、もうこれを今日の自分の成果としてしまおう。

というわけで買えるみたいです。Qiita良く使ってる人、買おう。まぁ買っても私には一銭も入らないんだけど、嬉しい。この気持ち悪い系のかたちが、ボロノイ図(を元に角落として丸くしたやつ)です。ドロネー図よりボロノイ図派です。

suzuri.jp


9/13 リリースされてた。

http://blog.qiita.com/post/150301607419/new-qiita-shop
blog.qiita.com

夏の旅行たち

7月に北海道と沖縄に、8月に和歌山と愛知に行った。旅行に行くと文を書いたりしているのだけど、この夏はなんだか文章を書けないほど頭がとろけていたのか、いやそんなことは別にないと思うんだけれども、まぁ何も残していなかったのを(旅行に行っても写真はほとんど撮らないので、文章を書いておくといい)、思い出しながら書いていく。

まず北海道か。 北海道は、夫の祖母の納骨に行った。北海道も網走。いわゆる(ちょっと昔で言えば)地の果てだ。亡くなられた義祖母はクリスチャンだったので、あのお化けが出そうな縦に長い石柱みたいなお墓ではなくて、台の上に板が乗っている、まぁ何というかクリスチャンの墓っぽいやつで、お墓の前はちょっとした広場というか空き地みたいになっていて、芝生なのか雑草なのかよく分からない草で黄緑色だった。天気は地の果てにふさわしい曇りで小寒い。初めて会う親族たちと、牧師さんが墓を囲む。聖書の文句を唱えて聖歌を歌う、墓を開けて、骨を入れる。そのあとに、献花。参列者一人一人が花を墓前に置くとき、誰かが聖歌をハミングしだし、何人かがそれに合わせる。美しかった。多分に小説的だった。 あとは北海道の海の幸をたらふく食べさせられ、シャチを見に行って見れなかったりしつつ、帰った。網走から札幌、苫小牧と移動したのだが、北海道は思いの外広くて、苫小牧に行くので十分に旅行だった。大洗の水族館あみるべきだと友人に言われて、ギリギリの時間の中見たのだが(ほとんど水族館の裏側ツアーについやされた)確かに大変立派だった。

沖縄 沖縄はi社のメンバーの幾人かが沖縄でリモートワークする、というのにお邪魔した。恩納村のビーチが真ん前にあるairbnbの物件にみんなで泊まった。一言でいうと最高だった。泊まるところも綺麗だし家みたいに使えて居心地がいい。メンバーも良かったし、海遊びとそれ以外のバランスが取れていて良かった。メンバーは初めて会う人も多かったし、そもそも私は多人数で旅行するの苦手なので多少心配だったのだけど、なんかみんないい人だったというか居心地が良かった。わりとみんな「みんなで」より「じぶんで」がベースにある上でみんなでやることはみんなでやるっって感じだったからかなぁと思う。i社いい会社だなって思った。平日はみんな日中は仕事しているので、観光とかしないで、気が向いたら目の前の海に行って、土日とか時間があるときにはちょっと観光っぽいこともするって感じで、観光に重きを置かないところも良かった。どうもあそこに行かなきゃ・ここに行かなきゃってタイプの旅行苦手なので、今回みたいなのは私にはあってるなって思った。まぁ何しろ天気が良かった。海も夕焼けも太陽もなにもかも最高だった。

和歌山 友人家の別荘に行こうぜということで、4人で旅行。それぞれ一応知ってるよね、という感じのわりと珍しい面子だった。和歌山は「予想以上に良い」がいろいろあった。テーマパークみたいな動物園は展示の仕方が独特で面白かったし、花火は本当に予想以上に良かったし、ビーチも予想以上に綺麗だった。子供みたいにunoをやっていたら、兄弟の合宿所の裏で海ほたるが見れるよって連絡が来て、もう2時を過ぎていたと思うんだけど、出かけて行って海ほたるを見たのがとても良かった。夜中の海に膝まで入りながら虫取り網を動かすとその残像みたいに光るのは不思議な光景で。上を見上げれば満天の星空で、流れ星をみんなでで見た。今思うと大学生の時みたいな気分だったな。

愛知 祖父の誕生祝いで、昔よく行っていた温泉旅館に父母と姉夫婦&姪と泊まる。ついでに自分も誕生日を祝ってもらった。特筆すべきことはないんだけども、1歳半になる姪がよく動いていたし、祖父はでれでれだし、父もおじいちゃん業に慣れていて、世界は若い世代のものだ、と思った。

このとこを文章を書いていなかったせいか、どちらかというと読んでなかったせいだろうか、文章が気持ち悪いなぁと思うが、まぁこの文章など思い出すためのフックであればいいから、と公開ボタンを押すか。

生き物の形をプログラミングちっくにモデリングする

生き物の形を見るのが好きだ。 美しいし、そこには合理的な理由というか、生き残りやすい形質が長い時間をかけてフィルターで抽出されたことによる有利さがあったりする。結果的に、植物の種の配置にフィボナッチ数が頻繁に現れるとか、数学的に美しい形が出来上がったりしている。 ということは逆に、数学やルールから生き物の形を再現してみてはどうだろう、と、生き物の形の構造やら形やらをビジュアルプログラム的なソフトを使ってモデリングしてみている。

作ったものはここにまとめている。 gh-forms-of-lfe.tumblr.com

こんなかんじ。 f:id:interestor:20160818111738p:plain

使っているのはモデリングソフトRhinocerosのプラグイン、Grasshopperだ。 ちらっと上の画像でも見えるが、こんなかんじで、データと命令の入った部品(コポーネント)を繋げることでモデリングしていく。

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ちなみにGrasshopperの簡単な導入とかは下記にもちらっと書いてあるので(めんどくさかったので毎回書くのはやめた)、面白そうだと思った人は是非Grasshopperはじめてほしい。で、はじめたよって教えてほしい。

qiita.com

できれば毎日1個作れるように、1時間くらいで作れるようになりたいなーって思ってるんだけど、まだまだですね。

プロトタイプの作り方について、MAKING MAKE展に行ってきた

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このあいだ『MAKING MAKE』展に行ってきた。山中氏のTwitterで知り、あまり前情報も調べないままに行ったのだが、大変良かった。
 
東京大学生産技術研究所でやっていたのだが、大学とか美術館に共通の(と私には感じられる)余裕のある敷地に、建築感のある建物と多めの緑。たまたまなのかいつもなのか、学生が見当たらない閑散としたキャンパスには、学生らしい人よりもむしろ小さな子どもを連れた家族連れがちらほらいて、銅像したの池で遊んだりしていた。展示をやっている研究室は正門から進んだ奥、つきあたり近くにある研究室というよりちょっとした美術館みたいな建物だった。
 
展示は、幾つかの作品(プロトタイプ)と、その製作の年表と、その間の検討におけるプロトタイプが主だった。
 
年表を見ると、わりと長いスパン、1年とか半年とか3年くらいとか、で作られているものが多く、ものを形にするということは、パッと見た印象より時間がかかるものなんだよな、と思う。もちろん学生だから、とかの理由はあると思うけれども。
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それと面白いのは、製作途中のプロトタイプ、まぁ言ってしまえば「失敗」の展示がされていること。軸のモーターを一本回すだけで多足生物のように動くものでは、少なくとも5回のプロトタイプを経てやっとイメージにあった動きをするようになったようだ。
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また、テストパターンというか、少しづつパターン変えるとどのような違いがでるのかを比較していたり

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色や素材の検討をしていたり、といった作る途中の選択肢の比較がよかった。
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イデアスケッチや比較検討の結果に対する考えなどもあわせて、「作るときに考えていること」が伝わってくる。新しいものを作っている時の、ものや考えの制作過程をみれることは希少で、ささやかながらものを作ったりしている身としてはとても参考になったし、励まされた。
もう会期は終わってしまったのだけど、またやってほしいし、あとこういったものが展示という形じゃなくてカジュアルに残せたり見れたりするといいなぁと思った。
 
 
展示を出ると、レンガ立ての古い建物があり「試作工場」と書かれていてとてもかっこよかったし、その裏の庭では雑然と外に置かれた椅子やソファに座りながらのんびりと肉を焼き酒を飲んでいる人たちがおり、ああこの空間にいられたら幸せだろうなぁと少しうずくような気持ちにになった。大きなビワの木から一個だけ小さな実をむしって食べたらうすっぽくて甘くてなつかしい味がした。

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